衆議院議員池田まきとは何者か ②

池田まきの謎

地域活性化総合研究会代表

移住後わずか3年で衆院選の候補となった池田真紀氏。何が彼女を押し上げたのか? 北海道に移住した平成23(2011)年から池田真紀氏が最初の国政選挙である平成26(2014)年12月の衆院選までの軌跡を追ってみた。

この間の池田氏の足跡については、北海道新聞が不思議なほど良く伝えている。

最初に池田氏が道新に登場するのは、平成24(2012)年03月11日の道新『被災者に寄り添う 生活保護受給の道内避難者支援』という記事。「ケースワーカーの経験がある札幌の社会福祉士の池田真紀さん(39)」としてコメントを寄せている。①

このとき池田氏は移住してまだ1年も経っていない。どうして道新は数あるケースワーカー経験者から池田氏を選んだのか?

続いて同年3月17日に「地域活性化総合研究会」という団体の代表となって「札幌市白石区で起きた姉妹の孤立死や高齢化社会について考える勉強会」を開催する。②

内閣府参与だった湯浅誠氏をゲストに、地域の人材を活用したまちづくりや行政の役割について講演する内容だ。元内閣参与という有識者とどのようにしてつながりをつくったのだろうか。

同会の活動は9月29日にも「町おこしのヒント 大学教授らに聞く 3日、勉強会」との見出しで伝えられた。今度は鹿児島県鹿屋市の柳谷町内会の豊重哲郎会長と、全国各地の町づくりに関わってきた東京農大の木村俊昭教授がゲストだ。③

同会のブログは今も閲覧可能で、

地域活性化総合研究会さんのプロフィールページ
地域活性化総合研究会とは:地域活性化に関する研修や意見交換会等から全国各地の人財育成や人的ネットワークを構築するなど、地域活性化に貢献することを目的とする任意団体です。北海道・東京をはじめ、全国各地で産学官連携による地域活性化勉強会・意見交換会、研修やシンポジウム等を積極的に企画・展開してまいります。」研修や意見交換会、シンポジウム等の開催企画のご依頼,ご相談は地域活性化総合研究会代表池田真紀宛てにお願いします.地域活性化総合研究会 E-mail:chiikigenki21@gmail.com代……

これによれば、池田氏が代表であり、少なくとも平成24(2012)年2月には旗揚げしている。渡道の翌年だ。3月には京都で「地域人財リーダー育成塾」を開いたという。すでに全国的な活動を行っていたのだ。

池田氏といえば、福祉分野がフィールドと思われているが、この地域活性化総合研究会は、産業や地域活性化、スーパー公務員という触れ込みだった。一方、ブログ記事は5件しかなく、5月9日以降の活動が不明である。

①「生活困窮者自立支援の勉強会」(2014/06/12 北海道新聞朝刊地方)
②「孤立死や高齢化社会 まちづくり考えよう*あす勉強会」(2012/03/16 北海道新聞朝刊地方)
③「町おこしのヒント 大学教授らに聞く*3日、勉強会」(2012/09/29 北海道新聞朝刊地方)

さまざまな地域活動

続いて平成24(2012)年8月14日に『<現代かわら版>国民に番号 年金や医療情報一元管理』で「元ケースワーカー、社会福祉士 池田真紀さん(40)」としてコメントしている。①

同年9月2日は、札幌市内の研究者や食の専門家でつくる「札幌農業と歩む会」のバスツアーを取り上げた記事でも「参加した札幌市内の池田真紀さん(40)」としてコメントが取り上げられている。②

同年11月23日には、北海道社会福祉会道南地区支部に呼ばれ函館でトークセッションを行っている。この時の肩書きは、生活再建サポート事業支援コーディネーターだ。社会福祉士ら約60人に「「単に寄り添うだけではダメ。福祉の専門家としての視点を持って接して」と助言したという。③

生活再建サポート事業支援コーディネーターは、正式には「生活支援コーディネーター(別名:地域支え合い推進員)」と呼ばれる。主に社会福祉協議会や、市区町村が委託した民間団体、地域包括支援センターなどに配置される。資格ではなく、社会福祉士やケアマネジャーなどが組織の中で配属される社会福祉領域での肩書きであるようだ。④ 生活支援コーディネーターとしての池田氏は、このときどの組織に属していたのだろうか?

平成25(2013)年5月には、さっぽろ自由学校「遊」の連続講座「『生活保護』の現在とこれから」で講師として登壇。池田氏は移住2年目には早くも道内各地から「先生」と呼ばれる存在になっていた。⑤

①「<現代かわら版>国民に番号 年金や医療情報一元管理*マイナンバー流出防止課題」(2012/08/14 北海道新聞朝刊地方)
②「野菜栽培や養鶏業の現場 肌で*札幌農業 豊かさ実感*食の専門家ら農家見学」(2012/09/02 北海道新聞朝刊地方)
③「生活保護からの自立探る*社会福祉士ら支援策学ぶ*函館」(2012/11/24 北海道新聞朝刊地方)

④厚労省ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 介護予防・日常生活支援総合事業 > 生活支援コーディネーターhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084710.htm
⑤「連続講座「『生活保護』の現在(いま)とこれから」(2013/05/16 北海道新聞朝刊全道)

道新の「ひと」に登場

平成25(2013)年10月2日には、ついに道新の『ひと2013』に池田氏本人が取り上げられた。池田氏が春から北海道大学大学院に進学するとともに、「子どもみんなチャレンジできる日本をめざす会実行委員会」を約20人で設立したという内容だ。①

「「家庭の経済状況によって学ぶ機会、選択肢を減らしてほしくない」。今春、社会人入学した北大大学院の同級生らに呼び掛けて「子どもみんながチャレンジできる日本をめざす会実行委員会」を約20人で設立。生活保護世帯や母子家庭など、経済的にゆとりのない家庭の子どもの進路相談などに応じ「貧困の連鎖」を断ち切ることを目指す」という書き出しで始まるこの記事で、池田氏のプロフィールが少し分かる

  • 出身地は東京都板橋区
  • 23歳と21歳の息子を持つシングルマザー
  • 平成23(2011)年、次男の短大進学を機に憧れの札幌に移住
  • 14年間、出身地の東京都板橋区役所でケースワーカー
  • 精神保健福祉士、社会福祉士などの資格を取得
  • ソーシャルワーカーの個人事務所を構える
  • 平成25(2013)年4月から北大大学院に社会人入学

この時の池田氏は41歳だから、子どもは18歳と20歳で授かったようだ。北海道に渡った後は、どの会社や事業所にも属さずフリーのソーシャルワーカーとして活動しているという。

それにしても下の息子が短大に入学したタイミングでの渡道とは! 渡道時の次男は短大生とはいえまだ10代。池田氏の渡道後の活躍を見ると、東京の家族は置き去りだったように見える。

①「<ひと2013>池田真紀さん*困窮家庭の子の進路選択を支援する北大院生」(2013/10/02 北海道新聞朝刊全道)

あたかも選挙の準備のように

平成26(2014)年2月27日の『団地サミット2014「地域のつながり合い、ささえ愛」』という記事は、池田氏が「安心して暮らせるまちづくり“協働のまち”の実現には」と題して講演するという告知記事だが、池田氏の肩書きはいつのまにか内閣官房地域活性化伝道師となっていた。①

そして同年6月12日、登別市で生活困窮者自立支援法施行を前にした勉強会が開かれ、池田氏が厚生労働省の佐藤博・地域支援対策専門官と共に講演する。②

このようにして同年8月15日に前回紹介した『池田氏が出馬表明・市議選・東区』の記事となり、年末には衆議院選挙に立候補する。

平成26(2014)年12月に衆院戦出馬までの経歴をまとめるとこうなる。

池田氏は来道2年目にして、「地域活性化総合研究会」の代表であり、大学院に通いながら「子どもみんなチャレンジできる日本をめざす会実行委員会」を立ち上げ、市議候補に推される2カ月前には、いつの間にか内閣官房地域活性化伝道師になっていた。

地域活性化伝道師は、内閣府の制度で地域活性化に意欲を持つ自治体などに対し、専門的な知見から指導や助言を行う「外部専門家」である。毎年約250名〜300名程度(年度により変動)が登録されている。自治体がリストの伝道師から適当な方を選んで招聘する仕組みだ。公募を経て提出した活動実績や専門分野に基づき、内閣府にて審査が行われるという③。地域活性化総合研究会は地域活性化伝道師になるために必要な活動だったのかもしれない。

「箔を付ける」という言葉が離れない。民主党が、早々と札幌市議の公認候補として要請するのも当然の経歴であるが、北海道に渡ってからの池田氏の足取りは、政治家になることが義務づけられたかのように見えるのは私だけだろうか。

①「団地サミット2014「地域のつながり合い、ささえ愛」(2014/02/27 北海道新聞朝刊全道)
②「生活困窮者自立支援の勉強会」(2012/09/02 北海道新聞朝刊地方)
③ 内閣府公式サイト>地方創生 > 施策 > 地域活性化伝道師 https://www.chisou.go.jp/tiiki/dendoushi/index.html

フリーでソーシャルワーカーはできるのか?

板橋区の社会福祉士池田まき氏は、北海道にわたるや社会活動家としてロケットスタートを切った。しかし、目まぐるしい社会活動と大学院での勉学、そしてフリーソーシャルワーカーという本業、これらを池田氏がどのように両立させていたのか、気になるところである。

ところでソーシャルワーカーといえば、大きな病院で退院支援などを行い、地域と病院を結ぶ職種という印象がある。病院などの組織に属さずにフリーのソーシャルワーカーで生計を立てられるものだろうか?

リンクの『日本医歯薬専門学校』のウェブ記事によれば、そうした仕事はあるらしい。

社会福祉士はフリーランスとして働けるのか?独立方法を詳しく解説 | 日本医歯薬専門学校日本医歯薬専門学校
社会福祉士の資格を取得することで、医療、教福、児童・家庭福祉、高齢、障がい者はじめ幅広いフィールドでソーシャルワーカーやクールソーシャルワーカー、医療ソーシャルワーカーといった役割を得て働くことが可能となります。そんな幅広いフィールドでの活

しかし、「社会福祉士としてのキャリアや実績がほとんどない状態でフリーランスを名乗ったとしても、いきなり仕事を得るのは難しいでしょう」といい、収入を得るためには会社や事業所での実績とそこで培った人脈が必須条件のようだ。少なくとも移住1年で軌道に乗る業態ではない。

そうであるにもかかわらず、池田氏は、全国規模の社会活動を行い、北海道大学の大学院に進むだけの学費と時間を、このフリーソーシャルワーカーという仕事で支えることが出来ていたというのだ。

渡道後の池田氏は独身であるので当然夫はあてにできない。発信を見ても北海道に地縁があったとは見えない。そもそも二人の息子を含め家族の臭いがしない。

唯一可能なシナリオは、池田氏が出身の東京で実績を積んだ福祉業界の有名人であり、そのことが北海道にも聞こえて、実績を評価する人達からのオーダーが絶えなかったというケースだ。

やはり池田氏を知るためには、東京時代の活動を知らなければならないようだ。(つづく)

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