2025-10

北海道百年記念塔はなぜ解体されたのか?

国連とアイヌ民族復興⑤

民族自決権をもとめたウタリ協会平成7(1995)年3月、アイヌ民族が昭和59(1984)年以来、10年以上にわたって主張し続けてきたアイヌ新法を検討するための協議体として、官房長官の諮問機関「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」(以下「ウタリ有識者懇」)が設立された。アイヌ新法に求めるウタリ協会の要求は、昭和59(1984)年の最初の新法要求の時点では、①基本的人権、②参政権、③経済的自立権の確立、④アイヌ民族が自主的に運用できる民族自立化基金の創設だった。この後、国連での先住民族作業部会へ……
北海道百年記念塔はなぜ解体されたのか?

国連とアイヌ民族復興④

野村理事長の国連演説平成4(1992)年12月10日、翌年の国連「国際先住民年」の開幕式典として、世界の先住民族の代表18人・2団体がニューヨークの国連本部で演説を行った①。アイヌ民族の野村義一理事長は11番目に登壇する。その演説内容の前半であるアイヌ民族が置かれた現状と歴史認識については、前回に紹介した「アイヌ新法案前文」と重なるので、ここでは世界に向けたアピールである最終段を引用する。アイヌ民族は、今日国連で議論されているあらゆる先住民族の権利を、話し合いを通して日本政府に要求するつもりでお……