2月14日、「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」についてパブリックコメントについて「札幌市の考え方」を付した全体版が発表になりました。
https://www.city.sapporo.jp/kikaku/universal/jourei/documents/jourei-pub-comment_kohyou.pdf
パブリックコメントの全体版
「札幌市パブリックコメント手続に関する要綱」では、下記のように
第9条2 実施機関は、前項の意思決定を行ったときは、同項の意見等の概要及び当該意見等に対する実施機関の考え方並びに同項の規定により考慮した結果政策案の修正をした場合における当該修正の内容及び理由を公表しなければならない。
必ず受け付けた意見に対して、市の考え方を述べなければならないと定められています。
今回は意見提出者1,014人・意見数2,068件と多く、令和6年12月17日の第5回札幌市ユニバーサル推進検討委員会に資料として概要版が示されましたが、市意見を附した全体版は未公開でした。
「共生社会推進条例案」は2月13日の札幌市議会第1回定例会に提案されましたが、パブリックコメントの全体版は、この13日の前までには公開されていなければならないものでした。公開が遅れていたことから、第1定例会への条例提案は見送られたのではないかとの見方もあったほどです。
パブリックコメントを通して寄せられた市民意見とそれに対する市の「考え方」は興味深く、この条例のあり方を考えさせられます。
本サイトでは、このパブリックコメントと札幌市意見を独自に取りまとめました。今回は全体概要を示し、後に複数回にわたって内容を検討したいと思います。
意条例の賛否
パブリックコメントの中にも「パブリックコメントの結果について、賛成・反対の人数の割合を公表してほしい」との声があり、関心のたかいところと思われます。
これについて札幌市は「パブリックコメントについては賛成・反対を問うものではなく、広くご意見を募集したものであり、賛否が明らかではない意見も含まれるため、市としてその割合を公表する予定はありません」と回答しています。
たしかに単発の意見は賛否を分類しづらいものも多く含まれていますが、サイト管理人の判断であることをお断りして、2,068意見を次の観点で分類しました。
- 否定・懐疑的 明らかな否定意見、条例についての強い懐疑、条例のイデオロギー(DEI)について否定的な立場を前提とした意見や疑問
- 中立的 否定的と肯定的ともつかない立場からの意見や疑問
- 肯定・懐疑的 明らかな肯定意見、条例のイデオロギーについて肯定な立場を前提とした意見や疑問
- その他 明らかに「共生社会推進条例」とは関係の無い意見
このことからDEIイデオロギーに立脚した「外国人やアイヌ民族について触れていないことに不安を感じる。外国人に対する施策は限定されるべきであり、アイヌ民族についても誤った歴史教育をせず、正しい理解に基づいた施策を期待する」のような意見は、条例について懐疑的ですが、「肯定・懐疑的意見」に分類しています。
以上の分類の結果、パブリックコメントの賛否の集計は次のようになりました。

意見数順の一覧
札幌市が公開した資料は、2,068という意見の多さから類似の意見をまとめて一つの意見としており、資料上では100を超える意見も1つだけの意見も同じウエートとなっています。また市の意見の面積が大きく、一見すると市の意見が大きく打ち出されて見えて、パブリックコメントの全体像が掴みにくいものとなっています。
そこで意見数の順番に並べ直したものが下記となります。市が取りまとめた類似意見5以上を多い順に並べていますが、驚くべきは、無秩序な外国人受け入れによる治安悪化や混乱を懸念する意見が、410意見を筆頭に多数寄せられていることです。その意見に対する「市の考え方」もあわせて掲載していますので、参照ください。








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