2026-08

北海道セトラーコロニアリズム

北海道セトラーコロニアリズムに物申す 第2回(下)

史料から見る、ケプロンの土地政策への影響アメリカ人顧問の献策しかしながら、『新撰北海道史』第三巻・通説二(1937年)の記述には、平野の言うようなアイヌの土地政策への影響は認められない。開拓使が広大な新開地の処分方法をめぐって苦慮し、ケプロンら招聘外国人の意見を仔細に聴取したこと、その結果、ケプロンは以下の方法を参考制度として提示したとある(p.327)。アメリカのホームステッド法の条文(160エーカーを10ドルで、5年間定住・改良を条件に取得できる、あるいは即金なら1エーカー1.25〜2.50……
北海道セトラーコロニアリズム

北海道セトラーコロニアリズムに物申す 第2回(上)

ケプロン招聘とインディアン政策インディアン政策をケプロンは北海道に輸出した?最初にAIに「平野克弥って人はどんなことを言ってるのか?」と尋ねたとき、返ってきた要約のひとつに、「アメリカでインディアン政策に辣腕を振るったケプロンが、その経験を北海道のアイヌ政策に応用した」というものがあった。平野克弥で検索をかけたら他でも同様のことが出てきたことから、彼の論の主要な主張なのだろうと思った。聞いたことのない話であるが、言われてみればありそうな気もする。仲間たちと開いている開拓期史料の読書会で三県時代の……
北海道セトラーコロニアリズム

北海道セトラーコロニアリズムに物申す 第1回

はじめに近頃、北海道が何やら騒がしい。若い世代の凄惨な事件が相次いでいるということもあるが、野幌の原始林に聳えたっていた百年記念塔が反対運動もむなしく解体されたのが、忘れもしない、2023年の1月。どうもあのあたりから政治的に不穏な空気が流れ始めてきたような気がする。喪失感で茫然自失となっていたところに追い打ちをかけるように、「北海道セトラーコロニアリズム」などというテーマのシンポジウムのポスターが目に入ってきた。北海道開拓を植民地支配の歴史と見なし記念塔の解体を祝うという趣旨のようだった。いや……